「人に迷惑を掛けたくない！と考える私の両親に必要な没後の最低限かかるお金」（2025年12号）｜FPユニオンLabo

10年後のあなたが変わるＦＰ情報(2025年12号)

こんにちは。ファイナンシャル・プランナーの宮越肇です。

早いもので、もう年末！

昨年末、私は地元（石川県）に帰省して、両親と相続・介護の相談を受けました。

昨年末の相談内容の一部を以下のバックナンバーで紹介しています。参考まで！

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【2025年５号】ＡＩを活用した相続の税務調査が開始。子供名義の預金は気を付けて！

「ＡＩを活用した相続の税務調査が開始。子供名義の預金は気を付けて！」（2025年5号）

父（現在70代後半）は７人兄弟の末っ子であり、先祖代々のお墓には入ることはできません。そのため町内の開発墓地（土地のみ取得、墓石は未購入）を購入していましたが、昨年末、その土地を町に返した（購入金額の半額で譲渡）ことを聞きました。

その理由とは…？

私も弟も地元を離れてしまっているため、将来的に無縁墓地になってしまう可能性を考えたそうです。もし無縁墓地になってしまうと、草木などでお墓が荒れ果て周囲の人たちに迷惑を掛けてしまうことを避けたいと言っていました。

両親の没後、私は一定のタイミングで帰省し墓参りはすると思いますが、私の息子の代になると懐疑的です。また、お墓の管理となると私も正直、自信はありません。両親の言う「周囲の人たちに迷惑を掛けたくない」という考えは納得できます。

近年、お墓の管理や供養で子孫に負担を掛けたくないと思う方や身寄りがいない方は一般墓（いっぱんぼ）より、永代供養墓（えいたいくようぼ）を選択しており、需要が増えてきています。永代供養とは長い年月において霊園や寺院が遺骨管理や供養することです。永代供養墓（えいたいくようぼ）には樹木葬、納骨堂、合祀墓･合葬墓などの種類があります。

上記データを見ても、永代供養墓の平均購入額が割安であることが分かります。樹木葬（67.8万円）は、一般墓（155.7万円）に比べて、コストが半額以下になっていることも人気を集めている理由だと思います。

また、興味深いことは、上記データ「年代別の墓を購入する際に重視した点」において、【継承者不要】という理由が各世代共通で３位に上がっていることです。時代は少しずつ変わり、将来的には「先祖代々のお墓に入ること」は珍しく、少数派になってくるのかもしれませんね。

いずれにせよ、一般墓を諦めた私の両親は樹木葬を選びたいのか？も含め、今年末の帰省で、両親の希望（種類や場所など）を確認しなければいけないと思っています。

葬儀についても両親の希望を確認するつもりです。下記データもみると、コロナをきっかけに、家族葬を選択する人は増えたようです。家族葬に参列したことがある私も、自分の葬儀も家族葬で充分だな～と思いました。しかし、アフターコロナでは、一般葬が５％増加したことは興味深いと感じます。

下記データをご覧ください。家族葬（105.7万円）は、一般葬（161.3万円）に比べ、多くの弔問客に気を遣わずに済み、また掛かるコストが約65％に抑えられることも人気がある理由だと感じます。さまざま種類の葬儀はありますが、葬儀費用総額の平均としては118.5万円かかるそうです。

最後に、一周忌、三回忌、七回忌、一三回忌の法事に掛かるお金に触れておきます。法事の費用は故人が用意するべきものではない！と考える人はいると思います。しかし、恐らく私の両親は葬儀や永代供養墓と同じく「迷惑を掛けたくない」という考え方だと思います。

法事に参加する人数によって掛かるお金は異なってきます。また、一周忌と一三回忌の参加する人数も徐々に減ってくると思います。以下の「会食や引き出物」部分は1人あたり、1万円を見込んでおくと良いと感じました。仮に、１回あたり参加者を平均８名とする場合、約25万円を見込んでおくと、25万円×４回＝100万円程度は、用意しておくと良いかもしれません。

「人に迷惑を掛けたくない！」と考える人のための没後に最低限かかるお金について、以下に整理して終わりたいと思います。

・永代供養墓：70～80万円（一般墓は約160万円）

・葬儀費用：家族葬110万円（一般葬は約160万円）

・法事費用：約100万円※

※一周忌、三回忌、七回忌、一三回忌までの4回分（平均参加者8名）

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