COLUMN

10年後のあなたが変わるFP情報

2023.03.09

資産管理・運用

テーマ:

「公的年金はあてになる?ならない?年金の有効性を検証」(2023年3月号)

「公的年金はあてになる?ならない?年金の有効性を検証」(2023年3月号)

FPユニオンLabo 10年後のあなたが変わるFP情報2023年3月号

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ファイナンシャル・プランナーの八木澤浩司です。

人生100年時代というワードが浸透するようになりましたね。

私は個別相談をしていますが、ライフプランを作成する際に、

「ご自身の預貯金など、金融資産残高が何歳までキープできると安心ですか?」

とお伺いしますと、数年前なら

「よくわからないので、平均寿命くらいあれば良いです」

とお話される方が多かったのですが、最近は、金融資産残高が90歳くらいまでキープできたとしても

「100歳まで維持できないと心配」

とおっしゃる方が増えてきたと感じます。

老後生活で大事な収入源は老齢年金(老齢基礎年金、老齢厚生年金)ですが、皆さんは公的年金に対する信頼度はどのくらいありますか?

平成30年に内閣府が行った「老後の生活設計と公的年金に関する世論調査」では、「老後の生活設計の中での公的年金の位置づけ」という問いに対して、

「全面的に公的年金に頼る」と答えた人の割合が23.0%、

「公的年金を中心とし、これに個人年金や貯蓄などを組み合わせる」と答えた人の割合が55.1%、

「公的年金にはなるべく頼らず、できるだけ個人年金や貯蓄などを中心に考える」と答えた人の割合が15.5%、

「公的年金には頼らない」と答えた人の割合が4.8%となっています。

この割合を皆さんはどう思いますか?

 

●老後の生活設計の中での公的年金の位置づけ

「なるべく頼らない」「頼らない」の合計の割合が約20%ですが、本当にそれほどあてにならないのでしょうか?

 

以下の例から考えてみましょう。

Aさんは、以下の2つの保険を検討しました。

(例1)

支払保険料:月額41,256円、年間495,072円、40年間トータルで19,802,880円

65歳から受け取り開始した場合の保険料と年金額の損益分岐年齢:約90歳

(トータル保険料19,802,880円÷受取年金年額800,000円=24.75年≒24年9カ月)

 

(例2)

支払保険料:月額17,000円、年間204,000円、40年間トータルで8,160,000円

65歳から受け取り開始した場合の保険料と年金額の損益分岐年齢:約75歳3ヵ月

(トータル保険料8,160,000円÷受取年金年額800,000円=10.2年≒10年3ヵ月)

 

上記を見比べていただいて、皆さんはどちらに加入したいですか?

年間80万円受け取ることができる終身保険という前提が同じなら、保険料の安い例2の年金保険が良いですよね。保険料の差額は約1,164万円もあり、例1は例2の2.4倍です。

 

気になるのは、例2のような保険があるのかということですが、あります。そして、すでに皆さんは加入しているのです。実は例2は国民年金(老齢基礎年金)です。

前提からお話しましょう。

年間80万円は、現在の老齢基礎年金に満額(40年間)加入した場合の受け取れる年金額の概算です(2022年度の年額で777,800円)。現在は、20歳から60歳になるまでの40年間加入する制度です。

 

例1は、ある民間保険の年額80万円を終身で受け取れる個人年金保険で保険料を計算してみました。保険料は例2の約2.48倍です。(2022年度の国民年金保険料は月額16,590円)

 

国民年金の保険料は、個人が支払っているだけでなく、半分は国が負担してくれています。こうやって見ると結構お得な制度だと思いませんか?

 

さらに、年金の種類は老齢年金だけではありません。

病気やけがで障害を負ってしまった場合も保障される「障害年金」、万一亡くなった場合に、遺族に支給される「遺族年金」と全部で3種類の保障があります。

会社員の方には、厚生年金保険にも加入していますから、さらに上記の3種類の保障が手厚くなります。

 

自分だけで将来の備えを準備するのはかなり大変です。

公的年金があることをふまえて、さらに豊かな老後のために、確定拠出年金(個人型、企業型)、NISA、個人年金保険などで税控除なども活用しながら、効率的に資産運用、資産形成をされてはいかがでしょうか。

 

将来の見通しに不安をお持ちの方には、ライフプランを作ることをオススメしています。

将来受け取る年金額などの収入、生活費、住宅に係る費用などの支出を盛り込んで、あなた自身のキャッシュフローを作成するものです。

もちろん将来のことは不確実でわからないわけですが、「〇歳の時に自動車を買う予定」「毎年旅行に行くとしたらどうなる」など、先のことを漠然とした想像ではなく、より現実味を持ってイメージしてもらうこと、そして、自分の将来の生活を考えていただく時間そのものも大事なことと思います。

 

ライフプラン相談をはじめ、各種相談は、㈱FPコーチングLaboでお引受けできます。お気軽にご相談ください。

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