COLUMN
10年後のあなたが変わるFP情報
2021.12.10
年金・老後
テーマ:
「70歳で家計が破綻するなんて‼どうしたらいいですか?」と聞かれて・・・ (2021年12月号)
FPユニオンLabo 10年後のあなたが変わるFP情報2021年12月号
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「70歳で家計が破綻するなんて‼どうしたらいいですか?」と聞かれて・・・
こんにちは。
ファイナンシャルプランナー(CFP)×国際コーチング連盟認定コーチ(ACC)の
下山千佳子です。
私は、1000件以上のお金の個別相談を受けておりますが、
先日ライフプランシミュレーションのご相談で面談をしたご夫婦から
「下山さん、私たち70歳で家計が破綻するなんて・・・。
どうしたらいいでしょうか?」
と質問されました。
相談の中でこのような質問は沢山いただきます。
人生100年時代と言われるようになった現在、寿命が延びたのは有難いことですが、
その分、定年から長い間、年金だけしか入らない生活の期間が延びたので
定年後の貯蓄を長く持たせなければならないという事がおこります。
「老後の資金がありません」なんて映画も上映されていますが、
老後の資金を心配する方が以前より増えてきました
今は、30代の方でも、「老後の資金が心配で・・・」と言われます。
皆さんの中にも老後の暮らしや資金を心配されている方が多くいらっしゃるのではないでしょうか?
では、65歳以上の方がどのくらいの貯蓄を持っているかをデータでみて
みましょう。
※総務省統計局 家計調査報告(貯蓄・負債偏)2020年
こちらの2020年のデータをみると65歳以上の世帯の貯蓄の中央値は1555万円になります。
2017年に老後2000万円問題と言われ、2000万円貯蓄しておかないと老後資金は
足りないという話が話題になりました。上記からみると500万円くらい足りないことになります。
老後2000万円問題が話題になった時のデータを見てみましょう。
※総務省統計局 家計調査年報 2017年
これによると65歳以上の夫婦のみの高齢無職世帯の家計収支は、
実収入209,198円-支出263,717円=-54,519円/月
ということになります。
その30年間分を合計すると
-54,519円×12か月×30年=約1963万円足りないということになり、
いわゆる老後2000万円問題となったわけです。
ただ、この家計調査は毎年データが更新されます。
この2年後の2019年を見てみましょう。
(2020年の最新データも出ていますが、2020年はコロナ禍の影響を強く受けていて支出が大きく変わっているため、コロナ前の2019年を見てみます)
※総務省統計局 2019年 家計調査年報
これによると2019年は、
実収入237,659円-支出270,929円=-33,270円/月
ということになります。
30年間では、
-33,270円×12か月×30年=約1198万円足りないということになります。
これであれば、上記の表の貯蓄保有世帯の中央値の1555万円の貯蓄があれば
老後の資金は問題ないということになりますね。
ここで注目すべきは、
約2000万円必要だよといわれていた老後の不足分が約1200万円になったことです。
では、何が違うのでしょうか?
不足分が 2017年は -54,519円/月
2019年は -33,270円/月
その差:21,249円/月
この差が95歳までの30年間とすると約800万円もの違いになるのです。
これだけ、毎月の支出は、将来に大きく影響します。
かと言って、何でもかんでも節約したら、味気ない生活になってしまいますね。
ですので、自分の家計にあった支出の金額を知ることが大切です。
そのためにできれば、将来のお金の未来予想図である「ライフプランシミュレーション」を作成して今と将来のお金のバランスを確認してみることが一つの指標になると思います。
それでは、もう一度振り返って冒頭のご相談はどうなったのか見ていきましょう。
「下山さん、私たち、70歳で家計が破綻するなんてショックです。
どうしたらいいでしょうか?」
と質問された三浦様ご夫婦(仮名)は、現在ご主人53歳、奥様50歳のご夫婦です。
ご主人のお仕事は、雇用延長で65歳まで働けますが、退職金は住宅ローンなどに消えてしまい、70歳になると家計が破綻してしまうのです。
その質問に私は、
「大丈夫です。まだ、70歳までには、17年あります。時間がミカタしてくれます。ただし、家計の現状を見つめて、将来に向かって、何をどうしていけばいいのかがわかっていればの話です」と答えました。
何も知らずに65歳になり、年金をもらって初めて、「え?この金額で足りるの?」
「貯金そんなにないけど・・・・」となったらどうでしょうか?
今は、50代でもご自分がいくら年金をもらえるのかを知らない方もいらっしゃいます。
思いのほか年金が少ないと60代で気が付いても、ミカタであるはずの時間はないのです。
三浦「このシミュレーションを見ると少しでも貯蓄を増やしたいです。」
下山「どうしたら増やせそうですか?」
三浦「お金の管理をしていないので、毎月いくら貯蓄しているかよくわかっていません。サブスクやジムなど使っていないのに払っているお金もあります。コロナで飲みに行く回数は減りましたが、その分、高い食品やお酒を結構買っています」
会話のなかで削減できそうな支出に気づいた三浦さん。
利用していないサブスクやジム代、また、保険や通信代等、
無理のない範囲での家計の見直しをして、月に3万円を削減できることになりました。
3万円×12か月×17年=612万円
これにより、70歳の時に600万円以上の貯蓄ができることになります。
70歳以降、年金だけでは毎月2万円足りなかった三浦さんにとっては
25年間分の貯蓄ができることになり、資産寿命は70歳が95歳まで一気に延びたことに
なります。
そのシミュレーションを見て、三浦夫妻は、月3万円の影響の大きさに驚いたようです。
三浦「月3万円って全く意識せずに簡単に使っていました。こんなに影響があるんですね~」
下山「そうなんです。毎月の生活費は皆さんが思っている以上にシミュレーションをしてみると将来に大きく影響します。そしてこの3万円を預金だけでなくiDeCoやNISAなどを利用して上手に運用できたとしたら、もっと資産寿命は延びることになります。」
下山「三浦さんご夫妻は、理想の老後の生活って考えたことありますか?」
三浦「まだ、考えたことないですね。ただ、贅沢はしなくてもいいので、心豊かにすごしたいなあ~」
下山「今は、少しでも長く働く、つまり収入がある期間を長くすることも重要です。そのためには、65歳以降までを見通して考えることによって、今から何をしていくことが大切なのかが見えてきます。これもお金のことと同じように時間がミカタしてくれるんですよね。」
三浦「確かに・・・。65歳になってから何かしようと思ってもなかなか難しいかもしれないけど、今から65歳以降も元気で豊かな人生を送るためにできることにアンテナ立てておくことはできますね」
下山「そうなんです。アンテナを立てておかないと自分の欲しい情報をキャッチできないですから」
奥様「あら、確かに、私もアンテナ立てておきたいわ」
三浦「今まで、老後の話なんか気が重くなるというか、考えるのを避けたい感じでしたが、今から新しいステージを踏まえて何かを始めることもできるし、自分の中で65歳以降も楽しむために今できることを考えようと思うと、結構ワクワクしてきますね」
ということで、まだまだ、三浦ご夫妻との話は続きました。
将来のために支出を見直すというと、何かを我慢しなければいけないイメージがありますが、三浦さんはとても明るい表情になって帰っていかれたのが印象的でした。
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ライフプラン相談、家計相談などをはじめとした各種相談は、㈱FPコーチングLaboで受けることができます。
三浦さんご夫妻が実際に弊社で受けられたライフプラン相談では、FPがご相談者のライフデザインを、コーチ資格者が監修するカウンセリングを通して確認してまいります。
そしてご相談者の目標を明確に落とし込んで作成するキャッシュフロー表(家計の未来年表)を一緒に確認しながら、「自分の未来にワクワクする、最高の未来予想図に向けたアクション」へと導いていきます。
FP相談の詳細はこちらで確認いただけます。
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※初回相談料:60分 3,960円(税込)
現在も面談だけでなく、WEB相談も受付けています。不安や気になる疑問解消に、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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