COLUMN
10年後のあなたが変わるFP情報
2025.07.24
家計・消費
テーマ:
「子どもの1ヶ月間の入院で実際に体感したこと、考えさせられたこと」(2025年7号)
10年後のあなたが変わるFP情報(2025年7号)
こんにちは。FPユニオンLaboの吉上美枝子です。
春先の話ですが、高校生の長女が脳炎にかかり、1ヶ月間入院することになりました。今は退院して日常生活を少しずつ取り戻してきましたが、あらためてこの1ヶ月で経験したことをコラムにしてみたいと思います。
~病気の発症~
「頭の痛みが頭痛薬を飲んでもとまらない」
そう言って子どもが後頭部の痛みを訴えてから、熱が40度を超すのに半日もかかりませんでした。近隣の病院で治療を受けて、すぐに市で一番大きい病院に入院することになりましたが熱や頭痛は止まず、10日も治療の効果がでないまま膠着状態が続いていました。
食事もまったくとれず、水分のみで10日間過ごしていた体はみるみる衰弱し、ついには言葉も発せられなくなり、右の視力もほとんどなくなりました。
~大学病院への入院~
「うちではもうこれ以上手の施しようがありません」
ついには市の病院の担当医からそう告げられました。何もしてあげられることがもうない、という恐怖でふさぎ込んでいた時に、県外の大学病院の脳内科の専門医がたまたま来ているから診てもらおうと声をかけてもらい、ほとんど反応を返せない子どもを診てもらうことになりました。
「うちの病院で預かります。今のままではもう治せません」
大学病院の専門医から救急の手配をとってもらい、1床だけベッドの空きがあるということで、県外の大学病院に救急車で1時間かけて移動し緊急転院することになりました。
脳専門の内科外科のチームによる厳重看護が始まりましたが、発語もできず、片方の目も見えなくなれば、大人でも情緒不安になります。入院して5日経過したあたりに、少し起きている時間が増えてきたので、せめてもの意思疎通をしたいと、交換日記のような小さいノートを渡しました。翌日、子どもがノートを渡してきてくれたときは喜びであふれかえりました。私の喜ぶ様子を子どもは悲しそうに見つめてくるので、不思議に思いノートをひらいてみると2,3歳の子どもが書くような字で
「もじかけない くるしい」とありました。
文字を書くこともほとんどできなくなっていたのに、その時はじめて気がつきました。
~仕事をしながら病院通いをする~
医師からは入院は2週間以上になると告げられ、片道1時間かかる病院へ、可能であれば仕事がある日も毎日通いました。話ができないので、体のマッサージをし、頭をなでる。くるしいという書き出しで始まった交換日記は、退屈しのぎになるようで楽しみにしてくれていたので続けました。
2週間経過したころ、検査の結果が悪いだけでなく、病気の原因が不明のため、退院日は未定と告げられました。夜も更けた帰り道を、うつむきながら歩いてばかりいたので、1ヶ月も通った病院周辺の景色を覚えていません。
~子どもの入院にかかった費用の話~
入院中の医療費の話をしたいと思います。
私の住んでいる市では、市内の病院への入院の場合、子どもの医療費はかかりませんが、今回は県外の病院への入院ですので、医療費は普通に3割負担となりました。
ただし、高額療養費制度の適用が受けられるため、費用負担は抑えられます。
また、容態急変によるリスクがあるため、ナースステーションや医師が控えているエリアに一番近い部屋に入ることになりました。ただし、その部屋は1日あたりの差額ベッド代が8,000円ほどかかることになり、入院期間がいつまでになるかわからないことが少し気になりました。
入院中の食事も当初は全く食べることができませんでしたが、毎食患者には用意されます。1日3食、ほぼ手つかずで片付けられるので、捨てられてしまう食材が少しもったいない気もしながら、わずかでも食べられる日がくることを祈るばかりでした。
入院食ですが、どこの病院も患者の負担額は変わりません。
こちらの図にあるとおり、令和6年から令和7年のほんの1年の間に二段階で食事代の負担額が値上がりしてきているのがわかります。こちらは昨今の食材費の高騰の影響からきているとのことです。
退院時の支払いとして、30日の医療費の窓口負担、1日あたり8,000円の差額ベッド代、入院食1食あたり510円の負担額や諸々の雑費などをあわせると約40万円超の実費負担になりました。
このうち窓口負担分の医療費のみ、後日、自治体窓口で手続きをして還元されましたが、あらためて差額ベッド代や入院食の負担分は、入院日数が長引くと負担感が大きくなるのを実感しました。
~退院に向けて~
治療とリハビリの効果で、歩行と発語が平常時の半分くらいまで戻ってきた頃、退院日が決まりました。いわゆる「自宅退院」というもので、高校に通えるようになるまでは自宅で療養するような形で回復を目指すことになりました。
退院時、右目の視力はまだ完全に戻っていませんでしたが、日常生活に戻せるように家族で支えながら過ごすこと、字を書く練習を続けるようサポートすることにしました。
病気で入院となると、生活が一変します。私自身はサポートする側でしたが、仕事の調整をはじめ様々な影響もありました。入院患者本人となると、退院後も通院に時間を要する人もいると思いますし、より影響は続く可能性があります。
1ヶ月の入院で約40万円超の費用がかかった経験から、やはり金銭的な負担には、保険や共済があれば貯蓄を取り崩すこともなく、心強い支えになることも実感しました。
みなさんも自分にとってどんな備えがあれば安心か、あらためて考える機会にしてみてください。
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