「FPがマンション理事会に参加して感じたこと」(2026年9号)

10年後のあなたが変わるFP情報(2026年9号)
こんにちは。ファイナンシャル・プランナーの千葉です。
今年4月、私の住んでいるマンションで管理組合の役員の順番が回ってきました。
これまで私は、恥ずかしながら毎年開催される総会に一度も参加したことがなく、
管理組合の現場はとても遠い存在だったのですが、
役員だけでなく、初日に抽選の結果、副理事長を引き当てることに…。
現在は毎月1回ずつ、理事会と役員会に参加しています。
今回、私の個人的な経験(ひとつのマンションの例)ではありますが、
理事会等に参加して感じたことを、FPとしての視点も含めてお伝えしたいと思います。
【今回のコラムの概要】
・マンションの理事会では、こんなことを話していた。
・大規模修繕のインフレは、住宅費の重要テーマ
・芝生の維持費とお子さんの遊び場という問題も
理事会では何をしているのか?
まず、理事会で実際に話し合われてきた議題(テーマ)をご紹介します。
理事会の議題の例
・設備の故障や不具合への対応
・居住者から寄せられる意見や要望への対応
・共用施設の利用方法について
・管理費の滞納への対応
・管理組合のお金の管理
・植栽や芝生など、敷地内の維持管理
・長期修繕計画について
・管理規約の変更について
このように、本当に様々なテーマがあります。毎月、新しい課題や前回からの継続課題について、進捗を確認しながら進めています。
(なお、実際は、理事会(役員会)がない時にも管理会社と理事長との間でやり取りが続いていて、緊急対応や見積書の取得などが進行していることが大きいです。正直なところ月1回ずつの会議で回る量ではないように思います。)
「大規模修繕費のインフレ」が重要なテーマ
理事会では、毎回のように設備故障の修理対応など、費用発生を伴う議題が上がります。
意外と頻繁に維持費としての支出が発生することに最初は驚きましたが、長期的な「住居費」への影響という点で、やはり大規模修繕費のインフレは大きなテーマです。
次の図表は、一般財団法人経済調査会が公表している「マンション修繕費指数」等の推移です。
マンション修繕費指数、修繕費総額の推移

※一般財団法人経済調査会「マンション修繕費指数」の公表データを基に、FPユニオンLaboにて作成。
民間分譲マンションの大規模修繕工事について、2013年を100とした指数が2025年に161.1まで上昇。特に、2023年調査と2025年調査の間の2年間で上昇率が約16%となり、上昇ペースが加速しています。
上昇の背景として、建設資材価格の高騰や人手不足による人件費上昇などが挙げられていますが、マンションで長期修繕計画が立てられている場合であっても、現実的に修繕積立金の準備が間に合うのか?近年の修繕費の上昇によって大規模修繕の時期、実施内容、業者の選定…など、対処の仕方が問われていると思います。(念のため、修繕積立金が不足する場合であっても、借り入れ修繕積立一時金の追加徴収などによる対応は可能です。)
最近は、住宅価格や住宅ローン金利の上昇をうけて、
「金利が上がっても住宅ローンを返していけるか?」との不安からFP相談にこられる方が増えている印象があります。今回、修繕費や管理費といったコストについても、住宅ローンの返済と同様に、将来の家計負担を考える上で無視できないことを実感しています。
芝生とお子さんの遊び場。植物の見え方に変化が…
もう一つ、とても印象に残っていることがあります。
私が住んでいるマンションの敷地内には、公開空地として整備された緑地があります。
芝生では、よくお子さんが遊んでいます。
きれいな芝生があって、お子さんも遊べる。良いことと思うのですが、
管理側の視点で見ると、
その結果として芝生が削られて、維持管理の追加支出が議題に上がってきます。
マンションの管理費は住民の方のお金ですので、バランスのとり方がなかなか悩ましかったです。
また、敷地内には繁殖力の強い植物が生えてきて、隣地への対応が必要になる場合もあります。
「ヒルガオって、アサガオとほとんど同じイメージだったけど、
大変な植物だったのか……」
など、初めて知ることもあり、植物の見方が少し変わりました。
まとめとして
ここまで、マンション理事会参加の経験を基に書いてきましたが、実際には、私が関わっているのはごく一部です。積極的に活動されている理事長やその他の方々、実務を担う管理会社の方々(清掃の方も含めて)がいて、はじめて成り立っています。
今回、マンションを管理・維持するためには、本当に多くの方の手間や時間がかかっているのだと実感すると共に、自分が暮らす「住まいの環境作りに関わる」ということ。また、FPとしてそのお金について、より深く考えるきっかけにもなりました。
私の経験が、少しでも皆さまの参考になりましたら幸いです。
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