「主婦目線で考えた、私なりの持続可能なワークライフバランス」(2026年10号)

10年後のあなたが変わるFP情報(2026年10号)
こんにちは。ファイナンシャル・プランナーの吉上美枝子です。
今回のコラムのテーマはワークライフバランスです。私自身が仕事をしながら主婦業をする毎日の中で、今夏、仕事と家庭の持続可能な両立のために家族と一緒に家事分担などを見直す時間を作りました。あらためてFPとしての視点も含めて、私なりに感じたことをお話ししたいと思います。
【今回のコラムの概要】
・2026年夏・吉上家改革
・家事は細かく書き出すと150程の作業項目になった
・働く時間の違いでどんな影響がある?
・変わってきた毎日のこと
2026年夏・吉上家改革
きっかけは初夏の夕方、仕事から帰宅し、夕飯の準備を始めていた私に珍しく長女から話かけてきたことからはじまります。
「ママはいつまで一人で全部やりつづけるの?」
娘の表情は怒っているようにも悲しんでいるようにも見え、私は少し戸惑いました。
長女にもう少し真意を聞くと、出張の多い仕事もしながら家事を取り仕切り、その上子供たちの学校や習い事、塾などの細かな対応をこなす様子を見ていて、いつか倒れてしまうんじゃないかと不安に思っているということでした。
私も違和感がありながらも黙って一人ですべてをこなしていた自覚もありました。子どもが生まれてからずっと途切れない育児中心の生活、そこに育児に絡む家庭内の家事や雑務は当たり前のように私の仕事で、だれかに代わってもらうという発想をもてなかったのです。
というよりも、人に頼む=甘えるのは申し訳ない、と考えていたのかもしれません。
図らずとも、私のこれからの仕事量や家事の分担などについて、見直す機会を迎えることになりました。
家事は細かく書き出すと150程の作業項目になった
帰宅した夫や下の子を交えて、あらためて私の仕事量の希望と家事分担について相談をもちかけました。幸い、家族は私の仕事を応援してはいてくれます。ただ、家事となると「なにをしたらいいかわからない」「言ってくれればやるのに」という反応です。
長女からは「普段の家事すべてを細かく書き出してほしい、そのうえでやれることを自発的にやるようにしたい」と言われました。ほかの家族も賛同して、私は家事全体を振り替えることをはじめました。
結果、私がやっている家事のすべてを細かく書き出すと、150程の項目になることがわかったのです。これには家族も引いていました。そんなわけはない、大げさだと。
これには私と家族の家事に対する作業解像度が異なるのが原因なのかも、と説明しました。
たとえば以下は吉上家のゴミ出しに関する作業例です。

家族と私の認識の違いだけでも、ゴミ出し一つでこれだけ違います。
他の家事についても同様で、意識されにくい家事の細かさを挙げていくと、あらためて
相当な作業量となりました。
問題は意識されにくいけど必要な家事をどのように自発的にしてもらうかだと思っています。
働く時間の違いでどんな影響がある?
今回、家族間で話す中で、私の仕事量についても相談しました。家事を家族にもっと分担してもらうなら、今までは時短勤務で働いていたのですが、勤務時間を1日当たりプラス1時間延ばしたいと伝えました。
勤務先まで私の自宅からは片道1時間20分はかかるので、往復の負荷を考えるとムリをしすぎず、可能な範囲の増やし方をしたいと考えました。
働く時間が増えれば、様々な影響があります。たとえば私のように時短で働いていた人が労働時間を増やすと、収入も増えますし、将来受け取る年金額にも影響が出てきます。
時短勤務は会社によっての規則があったり、期間の違いなどはありますが、時短勤務で働いている【Aさん】とフルタイム就労をずっと続けている【Bさん】の場合で年金額をシミュレーションしてみました。
【Aさん】:8年間時短勤務で通常勤務時の約7割の収入で勤務した場合
【Bさん】:フルタイムでずっと働いている

上記の年収設定で時短勤務8年間をした場合、65歳からの受給額が約148万円/年、ずっとフルタイムで働いている場合は約156万円/年になりました。8年間の働き方の差で老後に受け取れる年金額に年間約8万円ほどの差が出ることがわかります。
長い人生の中、育児や介護のサポートをする、また自身が病気をして働き方を通常より抑える時期もあるかもしれません。それでもまた時間がたって、働く時間の確保ができるようになれば将来受給する年金額も増やせることになります。
変わってきた毎日のこと
今、家族の間で家事を細かな150項目ではなく、まずは全員が共通認識できている10項目ほどのメインワークのみに絞りました。10項目の家事の中から、ホワイトボードに今日自分がやった家事ワークにサインをすることで、家族間のルーティンワーク化することをはじめました。細かな作業も少しずつ私から声がけして家族に着手してもらっています。ゴールは言われずとも自発的にルーティンワークの中に入れられるようになることです。2カ月以上経過していますが、家事を気づいたらすぐにやる、という流れができてきています。そして私も「これお願い」の一言を言えるようになったのが大きな変化だと思っています。
家事などの分業も誰かの当たり前にしすぎず、働き方や家族の成長、状況にあわせて柔軟に変動させることを話し合えることで、みんなで笑顔のある暮らしを続けていけるといいなと思っています。
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