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2023.12.27

資産管理・運用

テーマ:

「知っておきたい2024年からの新NISA、どう変わる?どう利用する?活用編~現在NISAを利用している方へ~」(2023年12月号)

「知っておきたい2024年からの新NISA、どう変わる?どう利用する?活用編~現在NISAを利用している方へ~」(2023年12月号)

FPの千葉です。

いま、資産運用で押さえておきたい重要テーマのひとつに2024年からNISAが変わる、というものがあります。

今回は、現在NISAを利用している方も含めて、どのようにNISAを利用するか?にフォーカスした活用編をお届けします。

※そもそもNISAって何?という方は、前回の初心者編

https://fpunionlabo.com/contents/fpinfo202311/)をご覧ください。

1.現在一般NISA、つみたてNISAを利用している方ごとのポイント

最初に、大きな変化を把握しやすいよう、前回と同じ図ですが再掲します。

すでに一般NISA、つみたてNISAを開設している人は、特別に手続きを行うことなく来年から新NISA(成長投資枠、つみたて投資枠の両方)を利用できるようになります。現在「一般NISA」「つみたてNISA」のどちらを利用しているか?によってポイントが変わりますので、それぞれに分けて整理します。なお、積立てを活用している資産形成層を想定してまとめています。

※以下、「NISA、一般NISA、つみたてNISA」は2023年までのNISA。「新NISA、成長投資枠、つみたて投資枠(=新NISAの2つの投資枠)」は2024年からの新しいNISAの事を指しています。

 

〇 新NISAでどうなる~ 現在、一般NISAを利用している人

現在、一般NISA(非課税投資枠120万円/年)を選択している人は、これまでと同様に積立、一括投資による売買のどちらも選択できる成長投資枠で非課税投資枠が2倍(240万円/年)に拡大。さらに、積立てはつみたて投資枠(120万円/年)も活用できますので、大きく制度が拡充されます。

ただし、新NISAでは、投資できる商品が絞られ、中でも投資信託(非上場)は、投資できる商品が約3分の1となりますので、これまでと同じ商品を新NISAで買えなくなる可能性があることには注意が必要です。NISAを利用している証券会社で対象商品を確認した上で、新NISAの活用方針を考えましょう。

 

〇 新NISAでどうなる ~ 現在、つみたてNISAを利用している人

現在つみたてNISAを選択している人は、「非課税投資枠」「積立できる商品の種類」が両方とも拡大し、つみたてNISAを踏襲したつみたて投資枠は、年間の上限金額が3倍の120万円/年になります。投資金額の合計1,800万円に達するまでつみたて投資枠で非課税で積立を続けることもできますし、そのうち、240万円/年(合計1,200万円)までは成長投資枠で個別株式、投資信託(非上場)、ETF・REIT等、つみたて投資枠よりも幅広い商品へ積立てまたは一括投資による投資をおこなうことも可能です。成長投資枠の自由度を活かして、プラスαの有効利用を考えても良いと思います。

 

2.FP自ら、新NISA活用を考えながら感じた事

最近、私も自らの口座の新NISAの活用を考えて、積立てについては設定まで完了しました。資産運用のスタイルは様々という大前提の上に、私から見た雑感をまとめてみました。

 

1)「複利重視タイプ」VS「配当重視タイプ」

NISAの活用として、運用中の分配金(配当金)の受取を行わずに複利運用を重視する「複利重視タイプ」、配当金の受取を大事にする「配当重視タイプ」の大きな2つのアプローチがあって、どちらにも面白味があるなと思いました。

NISAの非課税投資枠の有効活用という点では、圧倒的に「複利重視タイプ」に軍配があがります。

例えばNISAの非課税投資枠100万円を使って投資をはじめて1年後に利益が10万円あがって110万円になった時を考えてみます。「複利重視タイプ」=分配金が出ないタイプの商品であれば、投資枠100万円のまま、運用商品の時価が110万円になります。これが、「配当重視タイプ」=利益を配当金として出すタイプの金融商品で10万円を受け取る場合、その10万円を引き続き運用する場合は、10万円の非課税を使って再投資することになります。

1年後、どちらも運用資産は110万円ですが、「複利重視タイプ」は非課税投資枠100万円を使い、「配当重視タイプ」は非課税投資枠110万円を使っています。同じ投資をしても「複利重視タイプ」の方が非課税投資枠を節約できていますね。

このように、非課税投資枠の有効活用という点では「複利重視タイプ」が理にかなっていることは明白ですが、「配当重視タイプ」も例えば配当金を受け取りたい方にはフィットしますし、高配当の個別株式投資で丁寧に銘柄を選んで投資をすることでリターンの上乗せを目指す道もあると思います。

この2つのタイプ、あなたはどちらに惹かれますか?NISA活用を考える上でのヒントになれば幸いです。

 

2)共通点は「長期保有」

投資信託でも個別株式でも、「じっくり長期保有できる銘柄に投資をする」点は共通になりそうです。

NISAの活用という点では、多くの非課税投資枠を使って長く投資を続けることが合理的な選択といえますが、非課税投資枠は毎年360万円(成長投資枠とつみたて投資枠の合計)が上限で、5年かけて最大1,800万円まで積みあがることになります。

新NISAで投資していた金融商品を売却した場合、非課税投資枠は売却の翌年に復活するルールになっていますが、極端な例で、毎年NISAを利用している金融商品を全部売却する(短期売却を繰り返す)と、活用する非課税投資枠は、「最大で毎年360万円/年まで投資→売却してゼロに戻る」の繰り返しになります。最大1,800万円と最大360万円では大きな違いですね。

新NISAの非課税投資枠を大きく活用するためには、長期保有が大切です。

 

3)資金量による違い

非課税投資枠(最大360万円/年 最大1,800万円)を使い切りそうか、非課税投資枠に余裕があるかによって、NISAの見え方が変わりそうです。

毎年、非課税投資枠を使い切らない場合の方が、1)2)の影響も小さくなりますし、非課税投資枠の活用方法をいろいろと試す自由度が高いと私は感じました。

私自身が新NISAの設定を行う中でも、毎月の積立て内容をどうするかだけでなく、今まで課税口座(特定口座等)で保有している金融資産を(売買を通して)NISAに移動する事を含めてどのように活用するか、トータルに資産運用を検討する良い機会になりました。

 

最後に、今回取り上げたNISAは、内容を理解して上手に活用したい制度ですが、「利益が出ている金融商品を売却した時に、はじめてメリットを得られます。

NISAは注目されているテーマではありますが、NISAを活用することに振り回されて、本来の自分の家計に合わない投資プランになってしまっては本末転倒です。

この順番を大切にしながら、皆さまの資産運用に新NISAを活かしていただけれればと考えています。

 

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