COLUMN
10年後のあなたが変わるFP情報
2023.02.02
家計・消費
テーマ:
「あなたの年収・年齢からみる基本生活費の平均って?」(2023年2月号)
FPユニオンLabo 10年後のあなたが変わるFP情報2023年2月号
こんにちは。FPコーチ、の下山千佳子です。
2023年も早いもので2月になりました。
昨年は、コロナ禍に加えてロシアによるウクライナ侵攻と予想しなかったことが起き、経済的にも「円安」・「インフレ」により私達の家計にも直接、影響が及んでいます。
皆様も日々の生活でインフレの影響を感じて始めているのではないでしょうか?
こんな時だからこそ、まずは、自分のご家庭の傾向を知る「見える化」をしてみるのはいかがでしょうか?お金の見える化ができると心も見える化します。
私は、FPとして約20年間、個別相談をしてきました。1500件以上のご家庭のライフプランキャッシュフローを一緒に作成し、今後30年以上にわたるそのご家庭のお金の推移をみてきました、
FPを始めた20年前は、「こんな先のことまで考えても・・・・」とか、「どうにかなるでしょう。親たちだってどうにかなってきたのだから・・・」と思われている方が多かったのですが、今では、若い方を中心に将来の設計図を描く必要性が認知されてきたように思います。
●「ライフプランシミュレーション」はなぜ必要なのか?
ライフプランシミュレーションの価値は自分の将来のお金の推移を数字で見ることによって、「自分達がどういう方向に進んでいきたいか」「自分達は、何を大切にしていか」「今後、改善しなければいけないことは何か」などを知る機会を得られる事にあります。
弊社でライフプランシミュレーションをされた方のアンケートの一部をご紹介します。
「将来、自分が必要とする費用を、今の生活や老後の生活イメージから算出いただき、目標ができた」(女性 40代 A.K様)
「10年後や定年後の生活のシミュレーションをしていただいたことで、未来を見据えて今の生活を意識するようになりました。これまでは毎月赤字にならなければ良いと思ってつけていた家計簿ですが、1か月、1年、10年、と未来に繋がっていくイメージを持ってつけるようになりました。」(女性 30代 SU様)
「面談をしながら将来に起こりえる出費やイベントを知ることができ、どれだけの準備が自分たちに必要なのか理解することができました。5つのパターンでライフプランを作成いただき、どのような選択肢をとることができるのか夫婦で話し合うきっかけになりました。」(夫婦 30代 R.N様)
「今後の支出項目や金額を考える良いきっかけになりました。また、支出項目・金額を具体的に確認できた事で、今後の働き方や生活のイメージができ、不安が軽減されました。」(女性 50代 T様)
このライフプランシミュレーションですが、
同じ年収・年齢・ご家族構成、そして同じ会社であったとしても将来の貯蓄残高は全く違うシナリオになります。
実際に企業さんから依頼を受けて50代のライフプランシミュレーションを作成させていただいていますが、「将来に全く不安がない家庭」「なんとか乗り越えることが出来る家庭」「老後破綻する家庭」に分かれます。
それは、
「住宅費はいくらか? 賃貸か購入か 金利はいくらか、管理費はいくらか?」
「子供の教育費はどれだけかかるのか?」
「資産運用はしているか? 利回りは?」
などの1つ1つが大きく影響してきます。
しかし、これだけではありません。これら「住宅費」「教育費」「資産運用」の条件も全く同じご家庭だとしてもシミュレーション結果は変わってきます。
なぜなら、もう一つ、重要な項目があるからです。
それが、「基本生活費」です。
ここでいう基本生活費は、食費・水道光熱費・被服費・通信交通費・医療費・交際費・教養娯楽・旅行費用などの生活に必要な支出です。(住宅費、教育費などの大きな支出を除いています)
●家計の基本生活費を見える化する
この基本生活費の金額は、月別でみると大差ないのでそれほど影響がないように思いがちですが、年、そして、一生と考えると生涯の貯蓄残高に大きく影響してきます。
例えば。下記の図1は、Tさんの金融資産残高の推移です。
Tさんご家族
ご主人36歳 奥様35歳 長女6歳 長男3歳
現在の年収:ご主人600万円、奥様350万円
図1
38歳で住宅を購入予定であり、お子様2人の大学進学教育費などを加味していくと54歳で一旦 貯蓄が底をついてしまいます。
では、このご家族の基本生活費を3万円減らしてみましょう。
図2
いかがでしょうか?
これだと、図1では、55歳で貯蓄が-177万円だったのが、図2だと同じ55歳で578万円の貯蓄残高になります。
また、65歳の退職金をもらった定年時では、図1が1486万円に対して図2では2526万円になり、2000万円を超えてきます。
「月3万でこんなに変化するの?」とTさんご夫妻も驚いていました。
この月3万円ですが、これは、年間の合計になりますので、月1万、ボーナス1回6万円を減らしても同じになります。そう考えると、そのくらい何も考えずに使ってしまっているというご家庭も多いのではないでしょうか?
このように将来に大きく影響のあるこの基本生活費ですが、これこそ、ご家庭の価値観によって大きく変わってきます。とはいっても最近のインフレの中、生活費を減らすどころか上がってしまいそうと思う方も多いですよね。だからこそ、自分の家庭が何にどれくらい使っているかをチェックすることが重要になってきます。
皆様は、ご自分と同じ年収・年齢・家族構成の方の基本生活費の平均額を見たことがありますか?
●同じ年収・年齢・家族構成からみる基本生活費の平均額
下の図は、35歳夫婦、子供1人の3人世帯で、収入がそれぞれ500万円、1000万円、1500万円の家庭の平均的な基本生活費です。
これは「総務省家計調査(令和3年)」を参考に弊社で作成したものです。
この年収は、世帯年収になりますので共働きの方は、ご夫婦合計の年収になります。
図3
「世帯収入500万円」の生活費
「世帯収入1000万円」の生活費
「世帯収入1500万円」の生活費
いかがでしょうか?数字は年代や世帯人数による影響もありますが、これを見ると自分の家計が平均的な生活費水準なのか、それとも使いすぎているのかなどがわかってきます。
それがわかれば、自分達の価値観に気付くことができ、何を大切していて、何を手放してもいいのかがわかるのです。
(ただ、こちらは、今年のインフレ前の統計値になりますので、食費、光熱費などは少なく出ている可能性もあります。昨年の家計と比較して、ご自分の家計の傾向を掴んでください。)
いろいろな変化が起こり、将来の設計図が描きにくい今だからこそ、ご自分の家計を見える化することこそが未来の自分達を守り、自分達の望む未来に進むための第一歩ではないでしょうか。
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・ご自分の基本生活費は多いのか少ないのか?
・平均貯蓄からみて自分の家計はどうなのか?
・問題点は?改善点は?
など、ご自分と同じ年齢、年収、世帯構成の基本生活費の平均値とご自分の家計を比べることができる弊社作成のツールを使った家計診断を承っております。
お気軽にご相談ください。
初回相談(家計診断)60分 3960円(税込み)
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㈱FPコーチングLabo TEL03-6261-0255
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