COLUMN

10年後のあなたが変わるFP情報

2022.07.13

家計・消費

テーマ:

「家計への影響をデータで検証!インフレの今とこれから」(2022年7月号)

「家計への影響をデータで検証!インフレの今とこれから」(2022年7月号)

FPユニオンLabo 10年後のあなたが変わるFP情報2022年7月号

 

最近、毎日のようにインフレに関するニュースを目にします。

相談の現場でも、インフレの家計への影響を心配されている事を、肌で感じることがあります。

 

ここの所、起こっているインフレの背景には

・アフターコロナの経済再開

・戦争の影響による原油価格の上昇

・日本の場合は円安

などいくつかの要因が重なっていますが、今回は、3つのデータから家計への影響を整理していこうと思います。

 

1.      消費者物価指数は、実はそこまで上がっていない?

 

まず1つ目は、毎月の消費者物価指数データです。

物価が「1年前の同じ月と比べて」どう変化しているか?を表す数字です。

2022年4月、5月は2.5%と上昇率が大きくなっています。

ただしこれは、2020年~2021年にかけて新型コロナの影響もあって物価がマイナスになっていることで、その物価が元に戻るだけでプラスとなるため、上昇率が大きく出やすいという背景があります。

表でみると、2022年3月までは、2年平均では平常運転の範囲内。

4月、5月になって例年より少し物価上昇ペースが高まっている、という現状です。

 

2.インフレの実感する要因は…

 

ここまで、インフレがあまり進んでいないデータを紹介しましたが、

でも、実感ではかなりインフレしている気がしませんか?

このギャップの理由が見えるのが、次のグラフです。

消費者物価指数に含まれるさまざまな項目ごとの変動率をグラフ化したものです。

これを見ますと、ニュースでよく取り上げられる総合指数は赤いグラフで

緩やかな上昇にとどまっていますが、実際には価格上昇、価格下落が同時に起こっています。

 

インフレが集中しているのは「石油製品」「電気・都市のガス・水道」「生鮮食品」といった項目で「石油製品」「電気・都市ガス・水道」は直近でも15%近く上昇。

「生鮮食品」は10%に届きそうなペースで上がっています。

電気代、自動車のガソリン代、食料品といった、身近で変化を実感しやすい項目でインフレが大きく進んでいます。

 

このように支出の内訳を見ますと、家計支出の構造によってインフレの影響がありますので、

「ニュースでインフレ2%と言われていても、我が家にとっては2%ではない」

という事をデータからも分かりますね。

 

3.過去のインフレ局面から学ぶ

 

インフレには、

「経済が成長し、収入と物価が一緒に上がっていく健全なインフレ」

「最近のようにコスト増加等を背景とした好ましくないインフレ」

の2通りがあり、最近は特に、好ましくないインフレが焦点になっています。その一因である石油価格は、上昇と下落をくり返してきました。

 

歴史的に石油価格が大きく上昇した局面で、その後どのように石油価格が推移したのかを比較したのが次のグラフです。

(時代背景がまったく異なりますので、参考程度ですが)

これは1970年代、今回と同じように戦争(第4次中東戦争)を一因とする第一次石油ショック。

および第二次石油ショック(イラン革命)の際に「石油製品」価格が上昇しはじめてからの推移を比較したものです。

今回も同じような推移で下がっていくとは言い切れませんが、過去に石油価格が大きく上昇した後の推移と重ねることで、家計への影響(先行き)を考える上でのヒントになればと思います。

「アフターコロナ」を待ち望む間に、いつの間にかコロナの問題だけではなくなってしまいましたが、歴史的な変化の時期、しっかりと情報収集しながら乗り越えていきたいですね。

 

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