COLUMN
10年後のあなたが変わるFP情報
2022.05.12
住宅・不動産
テーマ:
「あなたは住宅ローンを組む際 変動金利派?固定金利派?」(2022年5月号)
FPユニオンLabo 10年後のあなたが変わるFP情報2022年5月号
あなたは住宅ローンを組む際 変動金利派?固定金利派?
みなさんこんにちは。ファイナンシャルプランナー鈴木尊臣です。
私は前職メガバンクにて不動産関係の融資業務(住宅ローン、不動産投資用ローン)に従事しており、住宅ローンを組む際の金利の選び方は難しいとの声をよく聞きましたので、今回はその点に触れていこうと思います。
人生で一番高い買い物と言われます「住宅」。
ほとんどの方は住宅取得をする際に住宅ローンを組むかと思いますが、
そこで大きな選択肢となるのが変動金利、固定金利どちらを選べばよいかという点です。
近年の低金利時代の煽りから、最近は変動金利を選ばれる方が大半です。
変動金利は固定金利に比べ、金利水準が低いことが多いので、
どうしてもお得感を感じてしまいますよね。
しかし、変動金利を選ばれている方は「変動金利の危険性」をしっかりと把握できているでしょうか?
今回は、この「変動金利の危険性」について書いていきたいと思います。
「変動金利の危険性」と聞いて、まず思いつくのが金利変動のリスクでしょう。
今は低金利時代の中で変動金利はとても低い水準ですが、将来的に金利が高くなってしまったらどうしよう… といった悩みが出てくるかと思います。
私の友人に変動金利で住宅ローンを組んでいる人がいるので、「変動金利の金利上昇リスクは怖くないの?」と聞いたことがあります。
そうしたら、「その友人からは返済額は5年ごとに見直しだし、返済額が上がったとしても125%ルールがあるから、そこまで危険視していない」と言うのです。
私はこの時衝撃を受けました。
変動金利の真の危険性は「5年間返済額一定」かつ「返済額が上がる場合125%が上限」という点にあるにも関わらず、この友人はメリットだと考えていたのです。
では、なぜ「5年間返済額一定」「返済額が上がる場合125%が上限」が危険なんでしょうか?
ローンの返済額というのは元金部分の返済額と利息部分の返済額の合算で決まります。
仮に4000万を元利均等返済35年ローン当初金利0.5%で借りた場合、
初回の返済額は以下のようになります。
ここで注目したいのは、毎月の返済額は5年間変わらないのですが、利息は半年見直しの場合が多いという点です。仮に半年後の金利見直しで3.5%になったらどうなるでしょう?
返済額は以下のようになります。
返済額が変わらないにもかかわらず、金利見直しはされるため元本返済が全くされずにローンの残債が減らないという現状が起きてしまうのです。
さらに、5年後やっと返済額が変わっても、125%までしか上がらないとなると、当初計画していた元本部分の返済額には到底及びませんので、ローンの残債を当初予定していた35年で返すことが出来なくなり、最終回の返済時に残債一括支払いを求められる可能性もあります。
上記は分かりやすくするため、極端な例を使いましたが、毎月、住宅ローンを返済しているつもりでしたが、実は利息しか払っていなかったなんて、虚しすぎますよね。
日本は借金を嫌う文化がありますが、住宅ローンだけは抵抗なく借りる風潮があるように思います。
高額の借金をするからこそ、ローンの組み方や適切な返済方法をしっかり検討をしてみてはいかがでしょうか?
とはいえ何から検討すればよいのかお悩みの方がいらっしゃいましたら、
是非一度弊社の個別相談を受けてみてください。
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